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シャント(バスキュラーアクセス)の現状と問題点Shunt

 シャントとは、バスキュラーアクセスとよばれる仕組みの一つです。
 すなわち、バスキュラーアクセスには図に示すような種類があり、そのうち動脈と静脈を簡単な手術でつなぐことにより透析に必要な血液量を得ることができる仕組みを、内シャント(いわゆるシャント)とよんでいます。これにはご自身の血管で作製する場合と人工血管を使用する場合とが存在します
 図において自己血管動静脈瘻(AVF)および人工血管動静脈瘻(AVG)とされているものです。


      


 やや専門的な話になりますが、シャント(バスキュラーアクセス)は、全国平均でご自身の血管を使用した自己血管による動静脈瘻(内シャント)が9割弱、人工血管による動静脈瘻は7〜8%前後とされています。しかし、これまでの治療によりご自身の血管が通常の採血も困難なほどになっている場合や、動脈硬化などを伴うご高齢の透析患者さんや糖尿病の患者さんなどの増加により、人工血管を使用した内シャントの割合が除々に増加しているのが特徴的です。
 シャント(バスキュラーアクセス)の問題について少し詳しく見てみましょう。



○シャント(バスキュラーアクセス)合併症の代表的なものとして、
・内シャントとして使用する血管が狭く、細くなる血管内腔の狭小化や狭窄
・内シャント血管への血栓(血の塊)が形成されることによる、内シャントの使用困難
・内シャントへの細菌感染や血管瘤(内シャントに生じる血管のコブ)
・内シャントが存在する腕が腫脹したり疼痛や冷感を伴ったりする
 ※静脈高血圧/Sore thumb症候群やスチール症候群とよばれます
・内シャントに必要以上に血流が多くなることによって心不全を引き起こす
・不適切な内シャントにより十分な透析を行うことができない内シャント血流の再循環
・毎回の内シャントに対する針の穿刺において、穿刺困難であったり、穿刺できる部位がきわめて限られたりする

などを挙げることができます。
 主に内シャント型のシャント(バスキュラーアクセス)に生じる合併症ですが、人工血管の場合には合併症の頻度と程度が深刻になることが多いといえます。
 以下にその例の一部を示します。
 写真は約20年の透析を経過する間に異常に発育してしまった自己血管内シャントです。ここまで発育すると呼吸苦や患者さんが日常生活において体を動かすと息切れをするいわゆる心不全の原因となります。


      


 また内シャントの血流過剰は、写真に示すよなシャント肢の著明な腫脹を伴うことがあります。

      


 糖尿病の患者さんや動脈硬化が進行して閉塞性動脈硬化症とよばれる血液の流れが悪くなっている患者さんに人工血管内シャントなど多大の血流量になる得るシャントを作成した場合、スチール症候群と呼ばれる血流障害が生じることがあります。ひどい場合には十分な血液が指に行かなくなり、壊死をおこして切断することになる場合もあります。命綱である内シャントをできるだけ温存した状態で解決することを試みますが、ひどい場合にはシャントを閉じて反対側の腕で新たにシャントを作成する必要がある場合もあります。
 
 合併症の最大、最頻度であるシャント閉塞(シャントが詰まってしまい血液が流れなくなった状態)にはどのような原因がかかわっているのでしょうか?

 内シャントは透析毎に毎回使用されるものであり、患者さんのその時々における体調や内シャントの使用状態などにも大きく影響されると考えられますので、どういった患者さんにシャント閉塞がおこりやすいかを特定することは簡単ではありません。しかし、一つの意見ではありますが、500例以上の内シャントを検討した我々の研究結果は、初回の内シャントの作成に関して、多変量解析で独立した有意な危険因子と考えられたものは年齢と性別、および糖尿病の有無であり、ここでも高齢化と糖尿病の問題が深く関わってくることが示されました。

(Kunihiro Hayakawa, Makoto Hata et al. The effect of patient age and other factors on the maintenance of permanent hemodialysis vascular access Therapeutic Apheresis and Dialysis 11(1): 36-41, 2007)。

      


 すなわち、簡単に述べますと年齢にして70歳を超えた患者さん、女性の患者さん、糖尿病のある患者さんは以上の条件に当てはまらない方に比べて初めて作成された内シャントが閉塞しやすいことがわかりました。
 下図は少し専門的ですが、透析に入った年齢が70歳以上の患者さんと70歳を超えない患者さんでは導入時に作成された内シャントが使用できる期間に明らかな差がみられることを示しています。


      


 前述のように最近本邦でも増加している人工血管を使用した内シャントの場合では、閉塞することなく血液透析に使用できる期間が自己血管での内シャントに比べて一般に劣ることに加え、シャント(バスキュラーアクセス)の血流量が多大となるため心臓への負担がより大きく、しばしば心不全の原因となる事、細菌感染をひきおこす率が高く治療に困難を伴う場合がある事、前述した合併症のスチール症候群や静脈高血圧がより発症し易い事などが特徴として挙げられます。
 写真は人工血管を使用した内シャントに生じた血管内腔狭窄、すなわちシャント血管が細くなっている事を示します。この部位に発生する狭窄は人工血管内シャントではよくみられ、放置すると血栓がつまり閉塞して使用できなくなります。


      


 また人工血管に感染が生じた場合には、抗生物質の投与だけでは治療は困難な事が多く、感染した人工血管を摘出するなどの外科的治療を必要とする場合が多くあります。
 さらに重要な事として、内シャントは透析患者さんの寿命にも影響を与えることがわかってきています。
 すなわち、自己血管による内シャントの患者さんに比べ、人工血管内シャントを必要とする患者さんは約1.53倍の有意な死亡リスクがある事が報告されています。


      


 以上のことは、内シャントが日々の透析生活での必須の仕組みであるのみならず、患者さんの寿命にも影響を与えうる非常に重要なものである事を示しています。
 
 さつきの森クリニックのシャント外来では、以上のような内シャントの諸問題に対し、患者さんの状態に応じた適切なシャント(バスキュラーアクセス)を長く維持し、負担の少ない最良の治療方法で、快適な透析ライフのお手伝いをします。


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